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技術コラム

硬質クロムメッキ加工とは?基礎知識から依頼時の注意点まで徹底解説|名古屋部品加工センター.com(愛知県)

2025年5月28日

硬質クロムメッキ加工とは?基礎知識から依頼時の注意点まで徹底解説|名古屋部品加工センター.com(愛知県)

硬質クロムメッキ加工とは、金属表面にクロム皮膜を形成することで、部品の耐摩耗性、耐食性、耐熱性を飛躍的に向上させます。

硬質クロムメッキは、電気メッキの中でも最も硬度が高く、Hv800以上の高硬度を実現します。この特性により、過酷な使用環境下でも長期間にわたって設備の性能を維持することが可能となり、工場の生産性向上と維持管理コストの削減に大きく貢献します。

硬質クロムメッキ加工のメリット

メッキ加工 イメージ

優れた耐摩耗性で設備の寿命を延ばす

硬質クロムメッキ皮膜は緻密で平滑性に富み、摩擦係数が低く、高硬度なため耐摩耗性に優れています。自動車、産業機械、金型などにコーティングされることで、表面の摩耗を大幅に減少させることができ、機械の故障率が低下し、生産性の向上に寄与します。

高い防錆・耐食性で過酷な環境にも対応

硬質クロムメッキは耐候性が高く、大気中において長期間、光沢外観が保たれます7。塩化物以外の化学薬品に対しても安定しており、13μm以上の皮膜では優れた耐食性を付与することができます。これにより、化学工場や屋外設備など、腐食性の高い環境でも設備の長寿命化が実現できます。

低摩擦性による生産性向上と省エネ効果

硬質クロムメッキは適切な条件下では潤滑性を発揮し、摺動抵抗を低減します。クロム皮膜のクラックに油を含ませることができるため保油性があり、皮膜に油が含侵され耐食性も向上します。この特性により、機械の動作がスムーズになり、消費電力の削減と生産効率の向上が期待できます。

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表面処理サービス アイキャッチ画像

名古屋部品加工センターを運営する有限会社パール金属の「金属 表面処理サービス」は、部品加工から表面処理まで一貫対応し、単品から量産まで幅広く対応可能です。名古屋市内の豊富な加工ネットワークを活用し、外注先の統合や管理負担の軽減を実現します。外注先の廃業や管理の煩雑さに悩む企業さまにご活用頂いております。
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「硬質クロム」と「装飾クロム」の違い

硬質クロムメッキは機能性を重視した表面処理であり、装飾クロムメッキとは明確に異なります。硬質クロムは厚膜(通常5~100μm以上)で高硬度を実現し、主に工業用途で使用されます。一方、装飾クロムは薄膜(1μm以下)で美観を目的とし、主に自動車部品や家具などに使用されます。

工場設備における硬質クロムメッキ加工の具体的な活用事例

メッキ加工品 イメージ

産業機械部品の長寿命化

エンジン部品、油圧機器、印刷ロールなど、摩耗や腐食に強い部品に多く用いられています。特に、高負荷・高頻度で使用される機械部品において、硬質クロムメッキ加工により大幅な寿命延長が実現できます。

金型・治工具の精度維持と生産性向上

金型や治工具への硬質クロムメッキ加工により、長期間にわたって高い寸法精度を維持できます。これにより、製品品質の安定化と生産効率の向上が図れ、型替えや工具交換の頻度を大幅に削減できます。

油圧・空圧機器の摺動性改善

シャフトやピストンロッドなどの摺動部品に硬質クロムメッキを施すことで、摩擦抵抗が低減され、機器の動作精度と応答性が向上します。また、シール性能の向上により、油漏れなどのトラブルも防止できます。

食品機械部品の衛生面向上

硬質クロムメッキは非磁性皮膜で、大気中で変色せず、銀白色の優美な色調を保ちます。食品機械部品に適用することで、衛生性の向上と清掃性の改善が実現でき、食品安全基準への対応が可能となります。

当社のクロムメッキの加工事例

クロムメッキ Before after

片面のみ硬質クロムメッキを施す特殊な依頼に対応したものです。多数の穴が開き、他部品が溶接されたスピーカー状の面にメッキを施すため、真鍮ワッシャーの保護が課題でした。真鍮がメッキ槽で溶けないよう厳重なマスキングを施し、メッキ面はバフ加工で磨き上げた後、硬質クロムメッキ加工を実施。これにより、複雑な形状の部品でも高品質なメッキ加工が実現しました。
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硬質クロムメッキ加工の種類と最適な選定方法

厚付け硬質クロムメッキ:高負荷・高摩耗環境に

100μm以上の厚付けが可能な硬質クロムメッキは、機械加工で削りすぎた部分の寸法補正や修理にも活用できます。高負荷・高摩耗環境で使用される部品には、この厚付けタイプが最適です。

薄付け硬質クロムメッキ:寸法精度が求められる部品に

5~20μm程度の薄付けメッキは、寸法精度が厳しく要求される精密部品に適用されます。白上げ(フラッシュメッキ)から均一の薄いクロム膜厚処理まで対応可能です。

複合メッキ(二層メッキなど):さらなる機能性向上を目指す

銅、ニッケル、クロムの3層構造による複合メッキにより、密着性と機能性の両立が図れます。特に、アルミニウムなどの軽金属への適用において、優れた密着強度を実現できます。

硬質クロムメッキ加工のメンテナンスと再加工の重要性

再メッキ加工 画像

硬質クロムメッキの寿命を延ばす日常的なケア

硬質クロムメッキの性能を長期間維持するためには、適切な潤滑管理と定期的な清掃が重要です。保油性を活かした適切な潤滑油の選定と補給により、摩擦係数をさらに低減し、メッキ寿命を延長できます。

摩耗・損傷時の再加工で設備を蘇らせる

硬質クロムメッキが傷つく、錆びるなどして補修が必要になった場合、業者では再メッキ加工で対応しています。古くなったクロムメッキをすべて剥がし、改めてクロムメッキ加工をやり直すことで、新品同様の性能を取り戻すことができます。

計画的なメンテナンスによる予期せぬトラブル回避

定期的な膜厚測定や表面状態の点検により、メッキの劣化状況を把握し、計画的な再加工スケジュールを立てることで、突発的な設備停止を防止できます。これにより、生産計画への影響を最小限に抑え、安定した工場運営が実現できます。

硬質クロムメッキ加工なら有限会社パール金属にお任せください

パール金属 会社ロゴ

工場設備の硬質クロムメッキ加工をお考えでしたら、豊富な実績と確かな技術力を持つ有限会社パール金属にお任せください。単品試作から量産まで、柔軟な対応力と迅速な納期対応で、お客様の生産計画をサポートします。硬質クロムメッキ加工に関するお困りごとがございましたら、有限会社パール金属まで お気軽にお問い合わせください。
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