部品測定の基本と高精度な測定方法

2025年11月12日

工場における部品測定は、製品品質の維持と生産性向上に直結する重要な業務です。測定とは、対象物の大きさ、長さ、重さ、容量などを測定器を用いて数値化することを意味し、検査は測定で得られた数値を基準と比較して合格・不合格を判定する行為として区別されます。設備保全や購買担当者にとって、正確な測定技術の理解は設備投資判断や品質管理体制の構築において不可欠な知識となります。

測定の基礎知識

測定と検査の違い

測定は道具を用いて測った結果を数値化することであり、検査は測定で得られた数値をある基準と比較して合格・不合格を判定することを意味します。明確な使い分けが必要とされているわけではありませんが、異なる定義をもった言葉として認識しておくことで、品質管理業務における指示や報告がより正確になります。

直接測定と間接測定

部品測定の方法は、大きく直接測定と間接測定に分けられます。

直接測定とは、測定対象物に測定器を接触させて長さや高さを直接読み取る方法です。スケールやノギス、三次元測定機などが直接測定に用いられる代表的な測定器であり、測定した結果をそのまま知ることができる反面、測定する人の技量によっては誤差が生じる場合もあります。

間接測定は、測定対象物とブロックゲージの高さの寸法差をダイヤルゲージなどで測定して、その高さを間接的に読み取る方法です。何らかの基準を元に測定することから「比較測定」とも呼ばれ、ブロックゲージは所定のサイズごとに精密に作られたブロック状の測定器で最も精度が高い測定器と言われています。

工場で使用される主な測定器の種類

ノギス

ノギスは最も一般的な測定機器の一つであり、外径・内径・深さを測定するために使用されます。アナログ式、ダイヤル式、デジタル式の3種類があり、デジタル式は特に高精度で数値が読み取りやすいのが特徴です。操作が簡単で素早く寸法を測定できるため、多くの現場で活躍しています。

マイクロメータ

マイクロメータは高精度な測定が求められる部品の外径測定に使用される測定器です。外側マイクロメータが最も一般的ですが、穴や溝の内径を測る「内側マイクロメータ」、段差や深さを測定する「デプスマイクロメータ」も存在します。

ダイヤルゲージ

ダイヤルゲージは、測定子の変位量を目盛りで読み取る測定器で、主に間接測定や比較測定に用いられます。高さや平面度、真円度などの測定に適しており、測定精度の安定性が高いのが特徴です。

三次元測定機

三次元測定機は、複雑な形状の製品や高い精度が求められる製品の検査に使用される機器です。X・Y・Zの3軸方向にプローブという測定針が移動し、製品の形状や寸法を高精度で測定します。接触式プローブは安定した精度が得られる一方で測定に時間がかかるという課題がありますが、非接触式プローブは柔らかい素材や精密な電子部品の測定にも活用されています。

画像寸法測定器・画像測定機

画像測定機は、カメラスキャンおよび画像解析を利用した測定機です。ステージ上に部品を置きスキャンボタンを押すだけで、作業者の習熟度を問わず簡単に各部の寸法を計測することができます。部品から図面を起こしたりCADデータとの照合による不良品判別もでき、計測作業を大幅に短縮することができます。

高精度測定を実現するためのポイント

測定システムの信頼性評価

単に決められた手順をなぞるのではなく、測定システム自体の信頼性（ゲージR&Rなど）を評価し、検査ルール全体を常に最適化することが不可欠です。「この検査は真に品質を保証できているか」という本質的な問いを常に持ち、検査の自動化やDX化を主導することも重要な役割です。

測定器の適切な選定

測定対象物の形状、精度要求、測定頻度に応じて適切な測定器を選定することが重要です。複雑な形状には三次元測定機、大量の部品には画像測定機、高精度な寸法測定にはマイクロメータというように、用途に応じた使い分けが測定効率と精度向上につながります。

測定技能の習熟

1級機械検査技能士や2級機械検査技能士といった資格保有者による高度な検査技術は、確かな検査品質を提供します。測定は作業者の技量によって誤差が生じる場合もあるため、定期的な技能訓練と測定手順の標準化が品質維持に欠かせません。

外部測定サービスの活用メリット

自社で高額な測定機器を保有せずとも、第三者検査企業への測定委託により公平性のある計測結果と検査負担の軽減を実現できます。ワンショット3D形状測定機、三次元測定機、画像寸法測定器など幅広い検査機器を導入している測定サービスでは、さまざまな業界の測定ニーズに対応可能です。必要なときにだけ測定を依頼することができ、短納期でも対応できるため、設備投資を抑えながら高品質な測定結果を得られます。

愛知県内の部品測定はパール金属にお任せください!

名古屋部品加工センターを運営する有限会社パール金属は、愛知県エリアを中心に、材料調達から加工、測定までをワンストップでサポートしています。最新の三次元測定機や3Dスキャナーを完備し、3D CAD/CAM測定代行サービスを提供しており、単品から小型・大型製品までお客様のご要望に合わせた測定代行を行っております。お客様のご要望・用途に合わせた確かな品質での提供が可能です。製品測定からリバースエンジニアリングまで対応し、一点ものの部品・治工具や装置機械部品の試作も1から対応いたします。部品測定に関するお困りごとがございましたら、有限会社パール金属までお気軽にお問い合わせください。

>>詳細はこちら