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技術コラム

日頃よく目にする「樹脂」!その加工方法は?|名古屋部品加工センター.com(愛知県)

2022年2月26日

日頃、生活をしている中で「樹脂」「プラスチック」という言葉を聞いたり「樹脂」や「プラスチック」から作られた製品を使用することが多いのではないでしょうか?

何気なく知っている材料だと思いますが、
そもそも「樹脂」と「プラスチック」の違いとは・・・?
加工方法とは・・・?

今回は、「樹脂」「プラスチック」がどのようなものなのか、どのように加工されているのかを解説します。

「樹脂」「プラスチック」とは?

植物から取れる植物の樹液のことで、別名「やに」とも呼ばれます。

樹脂の種類は、大きく分けて「天然樹脂」と「合成樹脂」の2種で、それぞれで特性が異なります。

①「天然樹脂」

元来は、樹木から取れる樹液が固まった物質のことで、代表的なものに松脂、漆、柿渋などが挙げられます。
これらの樹脂は天然にできたものであるため、「天然樹脂」と呼ばれています。
元々、粘度の高い液体である天然樹脂は、空気に触れることで揮発成分が揮発して固体化しています。
水に溶けにくく、アルコールなどの有機溶媒に溶けやすいのが特徴です。

② 「合成樹脂」

合成樹脂とは、石油を原料として人工的に製造された高分子物質のことです。
日常的に使う「プラスチック」の別名です。
合成樹脂は軽量性・絶縁性・耐薬品性に優れていますが、耐熱性・耐衝撃性に乏しいのが特徴です。
樹脂をもっと幅広く使用するために、石油などを原料として、人工的に量産し、 使い勝手を良くしたものが「合成樹脂」となります。

合成樹脂はその特性から、「熱硬化性樹脂」と「熱可塑性樹脂」に分類されます。

②-1 「熱可塑性樹脂」

熱を加えると、軟化・流動していき、冷やすと硬化します。
硬化した樹脂を再び加熱すると、また、軟化・流動していきます。
繰り返し使用することができることが大きな特徴です。

熱可塑性樹脂は、「汎用プラスチック(汎用プラ)」と「エンジニアプラスチック(エンプラ)」に分類されます。

さらに、エンジニアプラスチックは、「汎用エンジニアプラスチック(汎用エンプラ)」と「スーパーエンジニアプラスチック(スーパーエンプラ)」に分類されます。
一般的に、耐熱温度が100℃以上のものがエンプラとされ、さらに、耐熱温度が150℃以上のものがスーパーエンプラとされています。
汎用プラ→汎用エンプラ→スーパーエンプラと耐熱性が上がっていくと、成形温度も高くなっていきますし、また、強度も上がっていく傾向にありますので、加工が難しくなっていきます。 つまり、成形品としての強さは上がっていきますが、樹脂としての取り扱いが難しくなってきます。

②-2 「熱硬化性樹脂」

熱を加えると、まずは軟化・流動するのですが、そのまま熱を加え続けると硬化していく性質を持ち、 一度硬化すると、再び加熱しても、軟化・流動しません。
繰り返し使用することはできませんが、強度や耐熱性に優れるといった特徴があります。

「樹脂加工」の方法は?

樹脂加工には大きく分けて2つの方法があります。

①「成形加工」

成形加工は、樹脂・プラスチックを柔らかくして型にはめる、膨らませるなどして成形する方法です。
熱により溶融させた樹脂を金型に入れて成形し、冷却して固化させるので、 製品を量産するのに適しています。
ただし、熱硬化性樹脂は冷やしても固化されないため、さらに加熱や加圧をし、化学反応を起こすことで固めます。
成形加工には、以下のような種類があります。

○射出成形
○ 押出成形
○ 圧縮成形
○ ブロー成形
○ トランスファ成形
○ 粉末成形
○ カレンダ成形
○ 積層成形
○ 注型成形
○ 発泡成形 など

②「切削加工」

切削加工は、 樹脂・プラスチックの材料を工作機械を利用して削りだす方法 です。
機械や人の手で樹脂を切ったり削ったりして加工するため、少量生産や特殊な加工が必要な場合に用いられることが多いです。

切削加工では、大きく分けて旋盤加工とフライス加工の2種類があります。

②-1「旋盤加工」

円筒形状の工作物を回転させながら、主軸に固定したバイトという刃物状の工具に当てることによって加工する技術です。

チャック(回転する台)に加工物(ワーク)を取り付け、バイト(工具)を当てて工作物を削って作り出します。
旋盤を用いて、円筒形状の工作物の外周を円形や先細形状(テーパ)にしたり、穴あけや、穴を広げる中ぐり、ねじ切り、さらに溝を削りながら最後まで切断する突切りなどを行います。

機械の種類としては、 手動で旋盤加工する機械のことを「汎用旋盤(普通旋盤)」、コンピューターにより動作を制御しての加工を「NC旋盤」 があります。

②-2「フライス加工」

回転軸に取り付けたフライス盤という切削工具を回転させて行う加工です。

フライスを開店する主軸に取り付け、バイスなどに固定された素材を削って加工物を作り出します。
固定した工作物に工具を断続的に当てて切削を行うため、工作物表面を平面や曲面に加工できるほか、穴開け、みぞ削りなど、多様な加工が可能です。

機械の種類としては、手動で操作する「汎用フライス」、コンピューターで加工数値を制御する「NCフライス(CNCフライス)」、加工内容を数値制御し、豊富な工具を自動で使い分けて加工する「マシニングセンタ」 などがあります。

当サイトの部品加工実績事例

○ストッパー( 切削加工 旋盤・フライス )

本製品は、全て樹脂加工製品です。左がMCナイロン、真ん中がPOM、右がウレタンの材質です。
試作案件で製作したもので、加工方法としては、主に切削加工で行いました。納期は2~3週間で、納品いたしました。

>>> https://n-buhin.com/product/377/

○プーリー(切削加工 旋盤)

本製品は、切削加工で製作した樹脂のプーリーです。当社は樹脂加工の切削加工を得意としております。
プーリー面の精度を出すのは通常困難ですが、旋盤加工によって高い精度を実現しています。

>>> https://n-buhin.com/product/367/

○POMプーリー (切削加工 旋盤)

本製品は、樹脂加工製品です。材質はPOMで製作したもので、加工方法としては、主に切削加工で行いました。納期は2~3週間で、納品いたしました。
>>> https://n-buhin.com/product/727/

当社では、図面のないワークに関しても、設計・製作対応致します。
部品加工でお悩みの方は、ぜひ一度弊社にご相談ください!