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技術コラム

ゴム切削加工とは? 試作・小ロットに最適な理由をプロが解説

2026年7月3日

「ゴム部品を1個だけ試作したい」
「量産前にサンプルで性能を確認したいが、金型を作るほどの数量はない」こうしたお悩みに応えるのがゴム切削加工です。

金型を使わずにゴムを削り出して形をつくるため、金型費がかからず、短納期で、1個から製作できるのが大きな特長です。本記事では、ゴム切削加工の基礎から、金型成形(量産)との違い、メリット・デメリット、対応できるゴム材質、具体的な加工事例まで、名古屋部品加工センター.com(有限会社パール金属)が現場目線で解説します。

① ゴム切削加工の試作とは?

ニトリルゴムストッパー 

ゴム切削加工とは、ゴムブロックやゴムシートといったゴムの塊を、刃物や工作機械で削ったり切断したりして目的の形状に仕上げる加工方法です。旋盤・マシニングセンタ・フライス盤などの切削機械のほか、ウォータージェットやプロッタを用いた切断加工も広い意味でこのカテゴリに含まれます。

最大のポイントは、金型を一切使わないこと。金型を用いるコンプレッション成形や射出成形と異なり、すでにある素材を直接削り出すため、設計したらすぐに形にできます。

 プロが押さえる、ゴム切削加工の技術ポイント

ゴムは金属や樹脂に比べて柔らかく弾性があるため、精度が出しにくいと言われがちです。しかし、これは適切な工具・加工条件・治具によって大きくカバーできます。
現場では、次のような点を押さえて加工品質を高めています。

  • 寸法精度:形状や材質によって差はありますが、条件を最適化すれば高精度に対応できるケースもあります。柔らかい材料ほど刃物の当て方や固定方法が結果を左右します。
  • 収縮の影響を受けにくい:金型成形では加硫時の収縮で寸法が変動することがありますが、切削加工は完成寸法を直接狙って削るため、設計寸法に忠実な試作品を得やすいのが利点です。
  • 複雑形状への対応:アンダーカットや中空構造など、金型では構造が複雑になりコスト高になる形状も、外側から削る・分割加工して接着するといった工夫で実現できる場合があります。
  • 微細加工:刃物径を選ぶことで、細い溝や小さな穴あけなど、自由度の高い加工にも対応できます。

つまりゴム切削加工は、金型をつくらずに、実際の製品と同じ材質で、設計どおりの形を素早く形にするための加工方法だといえます。

② 金型成形(量産)とゴム切削加工(試作)の比較

ゴム切削 金型比較

ゴム部品の代表的な製法である「金型成形」と「切削加工」は、得意とする領域がまったく異なります。

  • ゴム切削加工(試作・小ロット向け)

金型を作らず、ゴムのブロック材から直接削り出して形を作る方法です。金型代が一切かからないため初期費用が低く、最短数日という短納期で製作できるのが最大の魅力です。プログラムの修正だけで設計変更も簡単にできるため、1個〜数十個の試作開発や、多品種少量生産に最適です。ただし、数が増えるほど1個あたりの単価は割高になりやすいという側面もあります。

  • 金型成形(量産向け)

専用の金型を作り、そこに材料を入れて成形する方法です。金型の製作に1ヶ月程度の期間と高い初期費用がかかり、一度作ったあとの設計変更には手間とコストがかかります。しかし、一度型さえ作ってしまえば、量産時の1個あたりの単価を大幅に抑えることができます。仕様がしっかりと固まった後の中〜大ロット生産には欠かせない工法です。

>>>当社の加工事例はこちら

③ ゴム切削加工(試作)のメリット・デメリット

万能な加工方法はありません。ゴム切削加工も、得意なことと不得意なことを正しく理解して選ぶことが大切です。

メリット

  • 金型費がかからない:金型製作費という大きな初期投資が不要なため、試作段階のコストを大幅に抑えられます。
  • 納期が短い:金型製作の待ち時間(通常1ヶ月程度)が発生しないため、最短数日でサンプルを手にできることもあります。開発スピードの向上に直結します。
  • 1個から製作できる:「まずは1個だけ」「数個だけ」という多品種少量のニーズに柔軟に対応できます。
  • 実機と同じ材質で検証できる:3Dプリンタや代替材料による試作と違い、量産品と同等のゴム材質で作れるため、強度・弾性・耐久性など実機に近い性能検証が可能です。
  • 設計変更にすぐ対応できる:仕様変更が出ても、金型を作り直す必要がなく、加工データの修正だけで対応できます。試作の繰り返しが多い開発段階に向いています。

デメリット

  • 量産には不向き:1個ずつ削るため、数量が増えると加工時間・コストがかさみます。大量生産では金型成形のほうが圧倒的に有利です。
  • 数量が増えると単価が割高:上記の理由から、ロットが大きくなるほど1個あたりの単価メリットは失われていきます。
  • 材質・形状によっては精度に限界がある:非常に柔らかい材料や極端に薄い・細い形状は、削る際に変形しやすく、加工難度が上がる場合があります。
  • 形状によっては加工に工夫が必要:完全な中空一体形状など、削り出しだけでは難しい形状は、分割加工+接着などの対応になることがあります。

まとめ:ゴム切削加工は「スピード・低コスト・小ロット・実材質での検証」を重視する試作フェーズで真価を発揮します。量産を見据える場合は、切削で試作 → 金型成形で量産、という二段構えが王道です。

④ゴム切削加工(試作)の加工事例のご紹介

実際にどのような形でゴム切削加工が活用されているのか、代表的な事例のイメージをご紹介します。

事例①:ニトリルゴムストッパー

ニトリルゴムストッパー

  • 使用材質:ニトリルゴム硬度70
  • 加工方法:切削加工
  • 商品特徴:本製品は、ストッパーです。加工方法は切削加工を行い、材質はニトリルゴム70を使用しています。生産個数は6つ、約1週間程で納品いたしました。

>>>ニトリルゴムのストッパーの加工事例はこちら

事例②:ストッパー 製品受け

ストッパー 製品受け

  • 使用材質:ウレタン硬度
  • 加工方法:切削加工
  • 商品特徴:変形しやすく加工が難しいとされるウレタン素材(硬度90)ですが、±0.1mmという高い寸法精度で仕上げています。これにより、対象の製品をガタつくことなく、正確な位置で確実に保持・固定することが可能です。

>>>ストッパー 製品受けの加工事例はこちら

 

⑥ ゴム切削加工の試作なら有限会社パール金属へ!

ゴムの試作・小ロット製作は、金型不要で短納期・低コストなゴム切削加工が最適です。名古屋部品加工センター.com(有限会社パール金属)は、愛知県・東海エリアを中心に、材料調達から加工、測定までをワンストップでサポートします。

「このゴム部品、切削で作れる?」「どの材質が合う?」
そんな段階からのご相談も大歓迎です。ゴム切削加工・試作のお困りごとは、ぜひ有限会社パール金属までお気軽にお問い合わせください。

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